ブレーキキャリパーオーバーホールとダストブーツへのピストン挿入が簡単に出来る手順を公開します!



ブレーキキャリパーをオーバーホールしてみる!

みなさんこんにちは!ミュンヘンのWeb担当mak utsunomiya(@munchen_stil) です!今回は前回までのゆるい感じを捨てて、車の走る止まる曲がるの中で私が重要視している「止まる」を題材に話を進めていきたいと思います。

走る曲がる止まるは車の基本中の基本!しかも、そのいずれもがドライバーの意志に呼応してなければならないと私は思っています。(大それた言い方^^)

その中でもブレーキを踏んだら自分の感覚で止まらないと気持ち悪いんです。

って言ってる合間に、車検時にブレーキキャリパートラブルが発生している車両がありましたので、その車両を事例にブレーキキャリパーのオーバーホールを施して行きたいと思う今日この頃な記事でございます^^

※ 当記事は、DIYでの作業を推奨する為のものではありません。ブレーキの不具合は走行上危険を伴いますので作業は必ず整備工場で作業してもらうようにしましょう。また、今回の作業内容は車種やキャリパー形状、また施工するお店によっても変わってくる事をご了承下さい。

 

今回、キャリパーのオーバーホールに至った理由はダストブーツの亀裂!


車検時には必ずブレーキの清掃及びグリスの塗り直しを行います。その時には、ブレーキパッドの残量だけでなく、カップキットやゴム部品の劣化も確認します。

ブレーキトラブルは即、命に関わる部分ですので入念に確認します。その中で見つけた今回のトラブルがフロントブレーキのダストブーツの亀裂でした。

オイル漏れなどは確認できませんでしたが、ここから水が浸入し錆やブレーキダストなどで、今後症状がひどくなる場合がある為、即刻オーバーホールを実施する事にしました。

 

ピストンを抜く


ピストンの引き抜きもツールを使う方法や、今回当店が行ったようなブレーキペダルを踏みこみブレーキフルードの油圧で押し出す方法など多岐に渡ります。

今回は当店が行ったのは、ブレーキペダルを踏みこみフルードの油圧でピストンを押し出す方法です。その方法をこれから解説してみたいと思います。

まず、ピストンを抜く際に画像のように木などをあてがってブレーキペダルを踏みこんでいきます。当て木をするのは、ピストンはブレーキペダルを踏みこんだ際に凄い勢いで飛び出すからです。

当て木をしてなかったら、ピストン捜索願です・・・。ま、冗談はさておき、勢いよく飛び出したピストンが傷ついたりってのを防ぐのに当て木が役に立ちます。

ピストンを抜いた後でも先でも構いませんが、ダストブーツを外しておきましょう。再利用は致しませんので引きちぎっても大丈夫です。

ある程度抜ければ、ピストンは手の力だけで抜けるはずです。この方法でも抜けなければ、ブレーキフルードの注入口よりエアーを吹き付け抜いていきます。

どちらの方法にせよ圧力で押し出すときはかなりの勢いでピストンが飛び出してくるので当て木や周りをウエスで囲んだりする対策が必要です。

 

エアツールでピストンを押し出す方法


この時も当て木を忘れないように!すごい勢いでピストンが飛び出してきますよ!この方法でも抜けなければ、ブレーキフルード注入口より先の平たい工具をあてがい、ハンマーで軽く叩くと出てきます。

しかし、この方法でも抜けなければピストンもしくは、キャリパーの交換が必要になる可能性が高いです。

 

キャリパー&ピストン構成部品


これが今回取り外したピストンとダストブーツなどの構成部品です。構成種類は少ないように思えますが、どれもとても大切な部品ですので、錆や汚れ等をしっかり確認しておきます。

今回はすんなりとピストンが抜けてくれましたが、中には力技で抜かなければならないものがあります。それでも、ご覧のようにピストンにはかなりの汚れが付着してますね。

これからピストンやキャリパーのシリンダー内の汚れや錆具合を確認していきます。

 

ブレーキピストンを研磨する


引き抜いたピストンには錆だかダストだかわからないものが付着してます。黒い部分がそれにに当たります。そこを耐水ペーパーで磨いていきます。

もし、表面だけでなく、ピストン本体に錆が侵食しておりポツポツとした穴が開いているならばピストンの寿命が来てるので交換になります。

 


とりあえず、その辺りを見極める為に耐水ペーパーで磨いていきます。ゴシゴシ・・・。かなり地道な作業ではあります^^

 


幸いにも、ピストン本体にはダメージが無かったようです^^表面に浮いていた錆と汚れを綺麗に落としブレーキフルードを落としておきます。

 

キャリパーのオーバーホール


ダストブーツやピストンシールが挿入されている溝の汚れと錆を確認していきます。この部分の汚れと錆が綺麗にできなければキャリパーを交換です。

画像では錆がひどそうですが、一応磨いて様子を見る事にします。

 


これがピストンシールですね。ここにも錆が付着してます。

 

キャリパーの錆、汚れ落としをしっかりと!


専用の溝の汚れやホーニングツールもありますが、ワイヤーブラシやペーパー等でも根気よくやれば錆は落とせるはずです。ワイヤーブラシを使用する場合は、シリンダー内にキズをつけないように細心の注意を払い作業します。

因みに、この部分を綺麗にできなければ、後々挿入するピストンシールやダストブーツなどの密着が甘くなり、抜けやすくなります。

これでもか!って言うくらい綺麗にしておきましょう。

 


これが清掃後の画像です。あれ程錆や汚れがあったにも関わらず、根気よく作業すればこれだけ綺麗になります。ピストンの滑りを良くするようにシリンダー内もペーパーをかけて綺麗にしておきましょう!

 

洗い油で洗浄し、しっかり乾かす


シリンダーだけでなく、ピストンやスライドピンなど金属部分は洗い油でしっかりと汚れを落としておきます。しかし、ここで注意点が!

洗い油が残っていると、ブレーキフルードと混ざったり、錆の原因になります。洗い油をパーツクリーナーでしっかり落とし綺麗に拭き上げておきます。

ピストンを抜いた後の画像と比べると見まごうばかりの美しさではないですか?^^しかし、このまま放置しておくと錆の原因にもなりますので、すぐに次の作業へとすぐに移っていきます。

 

オーバーホールキットの部品


オーバーホールキットには、ピストンシール・ピストンのダストブーツ・リング・スライドピン先端に被せるゴムとスライドピンのブーツ。それとグリスが付属されています。

後、ブレーキホースが組み付けてあるボルトの両端に挟み込んであるワッシャーは再利用不可なので追加注文しておきます。

 

シール、ブーツの組込作業


まずは、ピストンシールをはめ込んでいきます。付属しているグリスを均等に塗り付けていきます。シリンダーの奥側の溝にはめ込んでいきます。

 


ピストンシールは、油圧によって押し出されたピストンでよじれます。そのよじれをゴムの元に戻る力を利用しピストンを元の位置まで戻すと言った重要な役割を担っています。

組み付けた際によじれがないか、均等に組み付けられているかをしつこいくらいに確認します。

 


ピストンシールが上手くはめ込む事が出来たらシリンダー内にもグリスを薄く均等に発布しておきます。

 


ここからは少し難易度が高くなるかな?それに、人によりやり方が多少違うかと思います。先にピストンにブーツを取付た後にピストンとともにブーツを組み込む方もいらっしゃいますし、今回のように先にブーツを被せておく方法です。

どちらが良いか悪いかではなく、やりやすい方で良いと思います。私は先にブーツを組み込んだ方がやりやすいです。

 


ダストブーツを溝に均等にはめ込んだのを確認し、リングでブーツを固定していきます。

 


ブーツの一番端にリングをはめ込んでいきます。少し狭い場所なのでしっかり確認しながら組み込んでいきます。

 


ブーツを押さえつけリングがしっかり固定できているのか確認しておきます。こうやってブーツを少し折り曲げてあげると確認しやすいですね^^

 


ドライバーで押し込んでいるように見えますが、先が丸く平らになった工具でリングをしっかり溝にはめ込んでいきます。

ドライバーでもできない事はないですが、先が鋭利なドライバーではグリスなどで滑ってブーツを破いてしまう可能性がありますので、こういった特殊な工具を使った方が良いでしょう。

 


このようにリングがしっかりとブーツを抑え込んでいるか確認しておきます。何度も確認するのは、ブーツがしっかり固定できていないと、ブーツの破損に繋がりますし、ピストン挿入時に抜けてしまう可能性があるからです。

この辺りまでは簡単な作業ですが、見落としやすい個所でもあります。

 

ピストンをエアのチカラで挿入!


ダストブーツの組込が終わればいよいよピストンの挿入です。ここからが少し難関ですね。ツールを使わずにできる人はかなり器用な方だと尊敬してしまいます^^私が不器用なだけかもしれないですが・・・。

実際にしてる人もいるしね^^すごい!

 


ここから大変!このままピストンを押し込めば済むだけの話なのですが、どっちかが入るとどっちかが抜ける・・・。それを延々と繰り返し腹が立つ^^

しかもグリスが付いてるからなおさらツルツルと入らない。かといってドライバーなどでブーツを広げようとこじってしまうと破けそうになります。って言う悪循環です^^

という事で、エアのチカラを借りてブーツを広げてあげるという技を使います!

 


まず、ピストンをシリンダーに垂直にあてがいます。なるべく真っすぐになるようにしましょう!

 


ブレーキホースを取り外した穴から軽くエアを吹いていきます。思いっきりやるとピストンが押し戻されるし、軽すぎればブーツが広がってくれません。

いきなり圧をかけるのではなく、軽くエアを吹きながらブーツの広がり具合を確認し調節していきます。

するとどうでしょう!

 


ブーツがぷくっと広がってくるではありませんか!それでもピストン全体を覆うまでには至っていません。そういった時にはピストンを少し回転させてあげたり、斜めにしてみたり工夫してみます。

 


これが、完全に覆われた状態です。あとはピストンを押し込んでいくだけです。エアでブーツを膨らませるのも、車種やキャリパーの形状により使えない場合もありますが、覚えていて損はないでしょう。

 


変な引っ掛かりがないか抵抗なく入っていくか等を確認しながらゆっくりと押し込んでいきます。ある程度の所まで押し込んだら、ブーツの先端をピストンの溝に合わせておきます。

 


完全に押し込んだら、ブーツ内にエアがたまってないか確認します。ぷくっと膨れた部分があればエアが溜まっているので、ブーツを傷つけないように工具を使いブーツを少し押し上げ、指で馴らしていくとエアが抜けます。

これでピストンの挿入は完了です。

 


ブレーキを元通り組み付けていきます。ブレーキホースのワッシャーは新品に交換です。スライドピンのブーツとピン先端のゴムを交換しブレーキフルードのエア抜きを行います。

オーバーホール後はいきなり走行する事はしません。

しっかりとブレーキのフィーリングを確かめ、工場敷地内でブレーキがしっかり効くか、異音はないか、ブレーキの引きずりはないか確認して作業完了です。

※ ちなみにブレーキフルードは腐食性がかなり高いので、周囲に飛び散らせない工夫や、万が一飛び散ったらすぐに水で洗い流す必要があります。

最初にも言いましたが、ブレーキの故障は即事故につながります。DIYでの作業は行わないようにしましょう。

 

【関連】ブレーキパッドの交換作業はこちらを参考に ⇒ フロントブレーキパッド(ディスクブレーキ)交換方法。SUZUKI ワゴンR 【MC22S】編

 

まとめ

ブレーキなどはいつも確認できる場所ではない為、やはり車検は大切だなと感じています。普段ずっと乗っているとブレーキの効き具合が悪くなっている事に気が付きにくいものです。

ブレーキは効いて当たり前でないといけませんが、消耗品がたくさん詰まっている部品でもあります。当然劣化してくるという事です。

車検時だけでなくブレーキのフィーリングに少しでも違和感を感じたらすぐに整備を行いたいところですね。

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