スバル360をオールペイント&プチレストアしてみました!クラシックスタイルが何とも愛らしい!



スバル360のオールペンをしてみたよ!

みなさん元気ですか~!!!!!ミュンヘンのWeb担当mak utsunomiya(@munchen_stil)です!今回は記事にしようかどうか迷った挙句、当店の記念碑的になるスバル360のリペアを、ただお店の思い出として記事にしてみました。いわゆる自己満^^

まぁはっきり言っちゃうと、タイトルにプチレストアなんて書いてますけど、板金・塗装ってウチのお店の専門分野ではないんですよね^^

板金塗装はやってるけど、特別な設備があるわけでもなく殆ど野外塗装みたいな感じなのですが、それでも大げさに言っちゃうと塗装しかしてない月もあるくらい板金・塗装の仕事が入る時があるんですよね・・・。なんでやろ?

で、外注にすれば良いんだけど、それでは成長がないって事でフレーム修正が必要な程大掛かりなもの以外は仕事請けちゃってます^^

もちろん受けたからには、出来うる限りの技術を用いて修理するんですが、今回はスバル360のリペア。もう一度言っときますけどプチリペアですよ!

レストアなんて言ったらレストア専門店に怒られちゃうから^^

それでも信用して頂き、数ある板金ショップがある中、当店を選んでいただいたオーナー様の期待を裏切る訳にはいきません!

専門店ではないので、と説明させて頂きながらもどこか「やったるぞ~!!ウチのメカがね・・・。」と、後学の為引き受けさせていただきました。

その奮闘記を後々の思い出になる為に残っていた画像を引っ張り出し懐古してみたいと思います。はっきり言って専門店の方には見て頂きたくない記事ではありますが行ってみたいと思います^^

ただ、作業風景は写真撮る余裕なんてなかったので殆どありません^^

因みにスバル360って私が生まれる前に生産終了している車ですので、生い立ちやらなんやらはいつものようにウィキ先生におまかせします^^

⇒ スバル360Wiki

 

スバル360オールペン&プチレストア開始!

360入庫から納車までをぶっちぎりで解説~^^

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ボンネット閉めてたら良かったのにね^^この画像しか残ってなかった・・・。結構きれいじゃん!オーナーさん曰く、一度オールペンされていたものがずーっと屋内保管されていたらしい。

大きな錆もなさそうで、私もメカもオーナーさんも程度いいんじゃね!?

って思っていました。ま、後述しますが苦労した部分もありますが・・・。それも今では良い思い出^^

 

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内装もカーペットが腐食し、皮シートが破けていたりしましたが塗装状態はまずまずな感じ。ただし前回のオールペン時に部品をマスキングで隠していただけらしく所々塗装が散っている状態。

それでも、約半世紀が経過しようとしている車としては上々な状態だと思います。

ここまで古くなると、逆にかわいいよね~(ノ∇≦*)キャハッッッ♪

もっと言うと今となっては斬新なスタイル。今の車は、どこのメーカーも似てるから車に携わってる私でもどこのメーカーか分からない車が沢山。

そういった意味では、本当に斬新ですよ^^

 

全体を目視で確認

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まず、外装から塗装状態を見ていきました。フロントガラス下部ににシーラー?が流れ出てきたようなものの痕跡を発見。と同時に、車両全体を覆う塗装のひび割れ。

 

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何故にこのひび割れ?その正体はこの後で!

 

フロントガラスモール下の錆びは怖い

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オーバートップ部分の継ぎ目には錆が出ていなかったのは幸いなのですが、フロントガラス部分には錆が出ています。モールの下にまで腐食が進行していたらマズイので、オーナーさんと相談しフロントガラスを外す事にしました。

ガラスを外すのは、専門のガラス屋さんに外注するのですが、外す時緊張したとおっしゃられていました^^

割れたら大変だもんね~。

アフターパーツも出ているらしいですが、各部品がプレミア価格になってるから緊張する気持ちが分からなくもない^^

 

塗装全体にひび割れの原因

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ご覧のように、塗装にひび割れが出来ています。遠目で見るとそれ程目立たないかも知れませんが、もう全体ですよ。

何故にこうなっているのか大きなひび割れを手でパキっと剥がして見ました。

どうせ全部剥離するからね^^

 

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すると、数ミリにも及ぶパテがびっしり車両全体を覆っています。最初は、塗膜をポリッシャーで剥がしていくだけのつもりでしたが、とてもとてもペーパーだけでは落とせないほどのパテ盛。吉野家やすき屋でもここまでの盛はないぜ~!^^

錆がでていますが、腐食と言うほどのものではなかったのが幸いでしたね。

という事で、塗膜全体をCNSべベルと言う専用工具で塗装全体を剥離。剥離と言うよりは削る。ベベルの優れた点は金属までは削らない事。

比較的柔らかい塗装とパテを簡単に除去できます。ついでに錆まで落としてくれますしね。

簡単といっても狭い場所があるので、苦労した場所もありましたし、梅雨時に作業を開始したので、下地を出してるとすぐ錆びてしまいます。少し削る、サフ打つの繰り返しでしたね^^

最長でも2ヶ月で出来ると、たかくくってたウチが悪いんだけど。まさか、ここまでパテが入ってるとは思いもせず・・・。

分かる人には分かると思いますが、この塗装とパテの厚さはマジヤバスでしたね~^^

全体をベベルで削った後、鉄板が波打ってるのが分かりました。当時のパネルが手作業で作ってたのか、プレスでやってたのかはわかりませんが、塗りに入った際に多少の波が出来るのはこの時に容易に想像できました。

それを抑える為のパテもりもりだったのかどうかは今ではわからない事ですけどね。ま、とにかくウチでは極力地金のパネルラインをいかしつつ、しょうがない部分はパテを盛るという作業工程でやっていきました。

最終的に塗装が波うつかなと思ってた部分もありましたが、ただ、それも味だといえば味だけどね。それでも極力波を抑えるように最小限でパテを使ってます。

ちなみに、鉄板が現在のものより薄くボディがしなる為パテ自体にヒビが入った可能性がありますし、いつ再塗装したか分かりませんが当時の塗装やパテの質が低かったのかは判断しかねますが・・・。

上の矢印部分は塗装を剥がした際に腐食し穴が開いてましたので、鉄板溶接にて修正を施しました。

とにかく、ベベルによる物理攻撃を車両全体に施しました。

 

表面のサビを除去

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幸か不幸か、パテがしっかりついていたおかげで表面の錆による腐食は比較的少なかったですが、バックパネルのようにパテが入ってない部分は表面に錆が浮き出ていました。

 

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ただ、ベベルによる物理攻撃で殆どを駆逐してやりましたよ^^鉄板に侵食してたら切った貼ったで修正が必要になってきますが、何とか研磨だけで削り取る事が出来ました^^

 

運転席側ヘッドライト下腐食修理

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ヘッドライトには黒いカバーがついていましたが、外してみると運転席側に腐食が見られました。ここも鉄板を切った貼ったで補修しておきました。

オリジナルと同様にはいきませんでしたが、ある程度の形を作る事が出来ました。

カバーで隠れる部分ではありますが、今当店で出来うる最高の技術で形を出していきます。レストア屋さんなら完璧にこなすんだろうな~。

すげーよねプロは・・・。

 

腐食はバッテリー裏にも・・・

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ここはボンネットで隠れる上、樹脂のカバーで覆われる為オーナーさんも「大体でいいよっ。」っておっしゃって頂いていたのですが、なるべくオリジナルの形状を残したくて苦心の末、鉄板を切った貼ったで溶接しパテで成型しました。

 

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まぁなんといっても曲面の出し方の難しさを痛感・・・。溶接技術の稚拙さ・・・。

もっと勉強しないとだめだね・・・。

 

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最初は真ん中の凸部分をカットし、完全平面のBOX形状にしようと思っていたのですが、それでは技術の向上に繋がりませんし、実はこれがないとバッテリーが斜めになっちゃうんですよね。

で、苦労しながらも鉄板を切った貼ったで補修し、パテで形を滑らかにしていきました。

 

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溶接→パテ→成型→さび止め。苦心の末何とかオリジナルに近い形が出せたのかなと思っています。

勿論もっと技術の向上は必要ですけど。ここの凸部分はかなり苦労しましたが、そうやって色々考えるのもまた楽し^^

見えないところこそ、腐食の発見が遅れますし防錆能力の高いエスコで錆を抑えます。

しかし、レストアマニア垂涎のマストアイテム塗料エスコちょっと固いね・・・。この段階で、塗装に入った時に塗装弾かないか心配でしたが、結果から言うと足付けをしっかりすると大丈夫でした^^

因みに、リアフェンダーの溶接裏にもエスコを塗りこんで錆の進行を抑えるようにしています。

 

内装は結局丸裸にしました

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オーナーさんとの最初の協議の結果。内装は見える所の塗装だけでOK!を頂いていたのですが、サイドシルをペーパーで削っていると塗装がポロポロ・・・。

どこまでやってもポロポロ。

サフでも抑えきれないと判断し、いっその事内装全体を取外し内装全体の塗装を剥離。内装はパテが入ってなかったのでサンダーで研磨し、錆と古い塗料を出来るだけ除去しました。

機械が入らない所は手研ぎでゴシゴシ・・・。

画像ではステアリング等フロント周りの部品も付いてますが、出来る限り外して作業しました。

 

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後々剥がれても嫌だしね。少しの手間を惜しんで後でトラブルがあったなら最悪。しっかりやってトラブルなら何かが悪かった事になります。

手抜きをすればするほど悪かった原因がなんなのか分かり難くなります・・・。

ならばいっその事手間をかけた方が良いという判断です。パテがない分外装よりは楽だったけど^^

 

完成画像を一挙公開!

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と言う、紆余曲折をえながらも何とか完成。その画像を一挙公開します^^今ミュンヘンで出来る最大の板金塗装技術を結集させた集大成画像です^^

 

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パテをあまりつかってないけどそれなりにライン出てない?^^

 

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黒いところは黒く、色がある所は鮮やかにが基本^^

 

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前方開きのドアが何ともおしゃれじゃないですか!^^オーナーさんは、内装貼りかえるのだとか、張り替えたら是非画像撮らせてくださいませ^^

 

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黒い枠も塗装しました。ちょっとしたところですが雰囲気は大きく変わりますよね^^

 

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当時もののラジオを活かしつつ、最新鋭のオーディオを取り付ける。賛否あると思いますが私こんなの好きですよ^^内装もメラミンスポンジで清掃。入庫当時より綺麗になってるのが分かりますか?

 

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ヘッドライトはレンズ事交換しH4仕様にし最新鋭LEDライト(できればスフィアLEDを!)を取付。

これで夜間の走行も安心ですね^^

 

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まだ磨きが終了していませんが、最初に比べたら比較にならないくらいの光沢。そして、微妙な鉄板のうねり具合が何ともクラシカルでかわいい^^

塗装が落ち着いてきたら、ポリッシャーで磨きを入れていきます。それまで晴れた日はお日様の光を存分に当ててあげて下さい^^

いや、逆に磨きは必要ないのかも!?荒れた塗装の感じが新たな息吹と古き良き時代をミックスさせているのです!決して磨きが面倒だと思ってるわけではありませんよ^^

 

まとめ

途中心が折れそうな時があったのも事実ですが、これ程注目を浴びた車も当店で初です。お店が四国八十八ヶ所の明石寺の通り道ってのもあってか、お遍路さんが写真を撮って行ったりって事もありましたし、様々な業者さんが写真を撮っていましたね^^

オーナーさんの許可なしにパシャパシャ撮られるもんだから大丈夫かな~と思っていたのですが、それ程注目度が高かったのでしょう^^

因みにウチのメカも写真とってました^^

個人のフェイスブックにも書きましたが、沢山勉強ができた車であり、もっと出来たんじゃないかと思う車でもありました。レストア専門店でもないのに信頼してご依頼いただいた上、2か月の予定が5ヶ月になっても待っていただいたオーナー様に感謝すると同時に、今後も忘れる事の出来ない貴重な経験をさせていただきました。

ただ、今後こういった作業を受けるかといわれたらちょっと考えるね^^なぁメカ^^

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