- 2014-6-23
- Update 2018-5-7
- Maintenance
走行中エンスト
H11年式 W30 ニッサン ラルゴの修理です。高速走行中にエンジン不調になり、なんとかインターを降りたものの一旦エンジンを切ると再始動できないという事でした。
以前ディストリビュータータ不良で修理歴があったので再発?との疑念もありましたが、別の要因も考えられた為、問題個所を特定する為に再び故障診断!
診断開始
まず、前回の故障個所「ディストリビュータ」の診断。未開の地を行くが如くエンジンまでのアクセス経路を確保します。ここまでエンジンにたどり着けない車両がかつてあったでしょうか?ふぅ(汗『汁ではない』)
やっとの思いでエンジンとご対面となり、プラグコードとプラグの火花のチェック。しっかりと火花も飛んでいて点火系は問題ないようです。
エンジン動作の3大ポイント
- 力強い火花。
- 適切な燃料噴射。
- エンジンの圧縮。
ここまでのチェックで1の可能性は消えたので、続いて2の燃料系のチェックに入ります。
メシよりうましパークリで燃料系チェック
私の三度の飯より大好き?なパーツクリーナーの登場です。パーツクリーナーは某牛丼屋の牛丼くらい3拍子揃った優れもので、マニホールドからのエア吸いや、燃料系チェック、低扁平タイヤの組み込み等に使えます。
翼君のサッカーボールより大切な僕の友達なんです・・・。
これをエアクーリーナーに吹きつけながらセルを回すと・・・。エンジン始動!どうやら燃料が送られて無い様です。という事で怪しさ満点の燃料系統のトラブルに的を絞って点検して行く事にしました。
燃料ポンプ動作不良の原因考察
- リレーからポンプまでの配線
- ポンプ本体
- ポンプからアースまでの配線
まず燃料系の大元フューエルポンプのリレーを点検。ん~電源を点検しても問題無さそうです。
次にリレーを外し、直結配線をしても燃料ポンプの回る音がしない為、燃料ポンプ本体あたりの不良でエンジンが掛からないと考えられそうです。
1.の線は消えたので続いて2.のポンプ本体の不良が疑わしくなってきました。さっそくチェックする事に・・・。。
燃料ポンプの場所は室内からアクセスできる構造になっていますが、場所が哲学書並に奥深い ふぅ(汁『汗ではない・・・』)後部座席シートを最後部までに下げ、マットをめくらないといけないという試練。
蓋を開けて燃料ポンプを確認するとコネクターが二つありますが、一つはポンプ本体のコネクタでもう一つが燃料計のものです。
カプラーの簡単な見分け方は、配線の太さで判別出来ます。ポンプの電源は容量が大きいため太い配線が使われるのが一般的で、燃料を計るコネクターはセンサーである為細い配線が用いられています。
ポンプ側のコネクター(2極)を外し、テスターを繋ぎキースイッチをONにすると、コネクター2極間でバッテリー電圧が来ていました。
原因完全特定!
燃料ポンプのコネクターを繋いでもポンプが回らない為、「ポンプ本体の不良」で間違い無さそうです。お客様に状況を連絡すると、次の車検で車を乗り換えるとの事で中古部品にて対応することにしました。
部品が到着し交換をすると難なく始動し、走行テスト中も異常は見られなかった為一安心といったところです。
まとめ
今回は走行距離が多めという事もあり、ポンプ内の消耗品であるブラシ等の磨耗などから燃料ポンプ不具合に繋がったようです。普段点検する事はないかもしれませんが、走行距離が多くなった車両は注意が必要ですね。
注意
自動車の修理およびカスタムはDIYで作業せず、必ず整備工場およびディーラーにて行うようにしましょう。