- 2015-2-25
- Update 2018-6-25
- Maintenance
リアメンバーブッシュとアームを交換しよう!
みなさんこんにちは!ミュンヘンのWeb担当mak utsunomiya(@munchen_stil)です!さて、「S14シルビア」カスタム第2夜をお送りしたいと思います。
先日取外したリアクロスメンバーにニスモ製のブッシュと、ニスモ製ロアアーム、社外アームでリアセクションのブッシュ交換でリフレッシュしていきたいと思います。
ニスモの強化ブッシュ
これが高貴なるニッサン直系のチューニングメーカーNISMOが放つ強化リアメンバーブッシュです。パッケージからオーラが伝わってきますね^^
恐れ多くて触れない。なんていってると仕事にならないけどね^^
これが取外した純正ブッシュです。熱を加えたり、油圧プレスを駆使し取外します。指で動かすだけで左右にグニャグニャと揺れてしまいます。指で動くくらいであれば、リアメンバーに荷重がかかった際にはもっと大きく動くでしょう。
これがジャダーの原因になっているかは謎ですが、可能性としては十分に考えられますね!
強化ブッシュ圧入
油圧プレス機を使い、ニスモ強化ブッシュを圧入していきます。油圧プレスを使ってもなかなか入らな!いところがつらいですが、ブッシュとアームの間に潤滑剤(CRC 5-5-6)を吹き付けておきます。
この時CRC等の潤滑剤を使うと乾くまでに時間がかかる為、水に家庭用の中性洗剤を少量混ぜたものを使うと乾きも早く、圧入も簡単に出来るという裏技が存在します。
ブッシュ圧入はかな油圧プレスを使っても、失敗する可能性があります。ななめに入ったりするとアウトです。
まだ、挿入途中なのに、圧がかかりすぎていると均等に入ってないと思っても良いでしょう。油圧プレスの圧力計がドンドン上がっているにもかかわらず、無理やり押し込んではいけません。
完全に入るまでには、圧力計だけでなく、目視でのチェックも必要です。ブッシュを破損させるならともかく、メンバーを壊してしまっては取り返しが付きませんよ!
工賃を安く済ませる為に、DIYで無理やり作業してる方も見受けられますが、自信がないならカーショップさんや、油圧プレスを持っている整備工場に依頼するほうが後々の出費は抑えられるでしょう。
リアメンバーのサビ落とし&塗装
せっかくリアメンバーを下ろしたので、ブラシとペーパーを駆使しサビを落としていきます。出来ればサンドブラスターでサビ落しを行いところですが、このあたりは予算と相談する事になります。
今回使用した塗料は防錆効果もありますので、サビの進行を遅らせることが出来るでしょう。まっくろくろすけもビックリの黒さです^^
サビ止め用の防錆塗料POR-15を使ってみるのも一つの手ですね。POR-15は現在出来ているサビの上に塗っても進行を遅らせることが出来る塗料です。
硬化すればペーパーで落とすのが難しくなるくらい固くなるので、上塗りが必要なものの下処理としては不向きですが、メンバーなど上塗りが必要でない箇所には大変有効だと思います。
サビ嫌い、レストア愛好家必須塗料詳細 ⇒ POR-15
リアデフを取り付け車載する
塗料が乾いたのを見計らって、リアデフをメンバーに組み込みます。その後、ジャッキを使って車載。これでアームを取付ける下準備が整いました。
外装同様に黒いところは黒く、白いところは白く!普段見え難いところですが、走行時に後ろから見た時の印象は大きく変わるはずです。
欲を言えば、リアデフもサンドブラスターと洗浄でピカピカにして上げたいですね。今回は、リアデフはパーツクリーナーで油汚れを落とすだけにしています。
純正アームと何が違うのか?
ノーマルのアームと違い、NISMOのアームには補強板が追加されています。チューニングショップではない当店では、これで何が変わるの?と疑問もありますが、そこはそこ、データを豊富に持っているニスモさんが必要だと感じて補強してある部分ですので、意味があるものなのでしょう。
この部品の交換による違いはオーナーさんなら感じとる事が出来るかも知れません。後日感想を聞いてみたいと思います。
ちなみに、補強板だけでなくゴムブッシュも強化タイプになっていますので、そのあたりの違いは走行時に感じ取れるでしょう。
ロアアームもしっかり補強されてますが、その他の社外アームもしっかりと補強が入っていて、ブッシュも強化タイプに変更されています。
ブッシュの打ち換えは、工賃も高くなるので出来ればアームごと交換した方が、良いかも知れませんね。
整備屋目線で考えるとアームごとの交換の方が手間もかからない=工賃も安く済む。と言う理論にたどり着きます。
アームを仮組み
メンバーを車載状態にしたまま各アーム類を仮組みしていきます。この時はまだ本締めはしません。各アーム類の位置確認やコネクタボルトすべてが正常な位置にあるかを見ていきます。
ボルトが余ったりしていませんか?ハーネス類はしっかり留まっていますか?この段階で取付けに関する全てをチェックしていきましょう!
デフオイル注入
今回デフオイルの交換も依頼されていると先日の記事で書きましたが、ユーザー様の銘柄指は無く、こちら側で用意する事にしました。
ノーマルデフの為nissn純正のオイルも候補に上がっていたのですが、今回は駆動系で評判の良いCUSCO製のデフオイル GL-5 80w-90 オイルをチョイスしました。
新品だからかそれ程臭くない^^
デフ横の注入口よりオイルが溢れるまで注いでいきます。下に受け皿を用意しておきましょう。
1Gをかけて本締めへ
ここまでの工程が終わったらいよいよ本締めです。アームのイメージはグリングリン動くような感じだと思いますが、アーム類のブッシュは固定すると思った以上に稼動範囲が少なくなります。ボルトで締めこみテンションがかかるので当たり前なのですが、それでもかなり強めに手で押してもほとんど稼動しません。
つまりリフトで浮かしアームが“ハの字”になったままの状態で締め込むと、ハの字のまま固定されてしまいます。
これでは走行時に稼動する部分が通常ありえない場所で固定されてしまい、せっかく走りを良くするためのアームの意味が薄れてしまいます。
と言う事で、停止状態(1G)で締め込んで上げる必要があるのです。
やり方としては、ロアアームにジャッキをかけて、画像のサイドシルの矢印部分が少し浮くくらいで締め込んで行きます。
この位置で締め込む事が本来あるべきアームの位置なので、絶対にやっておいた方が良いでしょう。これは車庫調を組み込むときにもとる方法です。
締め込みトルクを説明書どおりに!
ニスモアームの説明書に締め込みトルクが記載されています。また、各アーム類にも締め込みトルクがあります。
整備要領書などには詳細に記載されていますが、これがなかなか手に入らない・・・。当店は整備工場なので手に入りますが、一般的には出回っているのはほとんど見たことがないですね。
手ルクレンチで思いっきり締めこめば外れる事はありませんが、100%アームの性能を発揮したいのであれば、正直規定値で締め込みたいところですね。
当店では一定のところまで普通にレンチで締め、あとは整備要領書通りトルクレンチを使い規定値で締めておきました。
最終チェック
アームを1Gで締めこんだ後、マフラーを取り付け、各ボルトとハーネスの留め忘れがないか入念にチェックしていきます。
問題が無ければ、タイヤを取り付け実走行です。
走行時に異音もジャダーも起こらなかった為、後は洗車して納車です^^
まとめ
今回は、オーナーさんが普段乗っている時に気がついた症状を改善したい為に、いろいろ調べられて部品もそろえられていました。
よって、お店でのテストではメンテ前と後との違いが大きく変わったのか判断する事は難しかったのですが、ブッシュが新しくなった事での違いは必ず感じていただけると思います。
納車後、暫く乗っていただき後日譚を聞いてみたいと思います。
とにかく、異音が出始めたり調子が悪くなると、車を買い替える風潮にある現在ですが、一つの車をリフレッシュさせて乗るってところがカッコいいじゃないですか!
皆さんも自分の車に愛着を持っていますか?ちょっとした異音を感じ取る気持ちや、こうやったらもっと乗り味が変わるかな?と想像しながら車を乗るのはなんとも楽しい事だと思います。
カスタムやメンテ、どんどんやっていきましょう^^
⇒ S14シルビア後期カスタム【前編】アーム交換下準備の為リアメンバーを下ろしてみた!