- 2016-3-13
- Update 2018-7-16
- Maintenance
TEIN(テイン)のローダウンスプリングS.TECHを組み付けてみた!
みなさんこんにちは!ミュンヘンのWeb担当mak utsunomiya(@munchen_stil)です!今回は、通称ダウンサス。ローダウンスプリングの取り付け依頼をお客様よりご依頼いただきましたので交換方法を公開したいと思います。
お手頃にスポーティ感とスタイリッシュ感が味わえるという事で人気のアレですね^^
ちなみに一般的ににはダウンサスと言われていますが、ダウンサスとはエスペリアさんのサスの事を言います。登録商標なのでその他のメーカーさんのものはローダウンスプリングとかローダウンサスペンション等と言われていますね^^
ま、ウンチクはその辺にしといて、今回は車高調やサスペンションの超一流メーカーTEINさんのローダウンスプリングキットS.TECHを取り付けてみました。
TEINさんはレースからフィードバックされたデータを元に商品を開発されているので信頼性も抜群ですよね^^
スプリングは、お客様から完全にお任せ頂いていましたので、そんな信頼性を元にTEINさんのサスペンションを選ばさせていただきました^^
最低地上高とダウン量をギリギリのところで考えた結果、TEINさんのサスになったというところでもあります^^
今回は、サス交換後の走りの違い等には全く触れておりません^^サス交換の方法だけを掲載しておりますのでご注意を^^
スタイリングや乗り味の変化はオーナーさんに感じ取って頂きましょう^^
※ 因みにサス交換は危険を伴う作業です!DIYでは決して行わないようにして下さい。DIYでの作業では失敗すると重傷を負う危険性がありますので、必ず整備工場やチューニングショップで行うようにして下さい。
工賃を浮かす為にご自身で作業する方もいらっしゃいますが、専用器具や作業環境が整っていない場合はDIYでは決して行わないようにして下さい!
作業内容を記載してますが、当店では万が一事故が起こっても一切責任を持つ事が出来ない事を先に述べさせていただきます。
サス交換なんて簡単だなんて決して思わないで下さい!
作業する前にノーマル状態の車高を計測
今回ダウンサスを組み込むのはスイフトスポーツです。上述したように作業内容をメインにしているので、車両の全景画像はなしです^^
しかし、サス交換前後でどれだけ車高が落ちているのか計測する為にノーマル状態で計測しておきます。
車高の計測方法は画像のように、ハブセンターからフェンダーの一番高い位置を計測します。フェンダーとセンターハブまでの長さは、タイヤの外形や空気圧等に左右される事がない為、車高の計測方法としては理想的ですね。
地面からフェンダーまでを計測している方もいらっしゃいますが、上記のようにタイヤ外形や空気圧で変わってきますので注意が必要です。
因みに、一人で計測から撮影までしているので多少の誤差が生じている事があるかもしれないので、そこんとこはご了承下さい^^
フロントサス交換前の車高を計測
ノーマル時点では、センターからフェンダー上端まで約36㎝です。
リアサス交換前の車高を計測
リアは約37㎝ですね。これがどう落ちるのか興味深々ですね^^
フロントサス交換方法を解説
ローダウンスプリング(ダウンサス)を組み込むには、アッパーマウントのボルトとショック下部のボルトとブレーキホースや、スタビライザーのボルトを外す必要があります。
まずは、各ボルトがどこにあるのか調べる必要があります。ボンネットを開けるとすぐにわかる車種もありますし、すぐに見つからない場合もあります。
スイフトスポーツは、アッパーのボルトはカウルトップの下にありました・・・。なので、ワイパーアームとカウルトップを取り外す事から作業が始まります・・・(ちと厄介・・・)。
登録から時間が経過しているものはプラスチックが硬化しているものもありますので、留めてあるピンを破損させないように注意して外す必要があります。
破損させると交換しなくてはならないので、内装剥がしなどの工具を使って慎重に取り外していきます。慎重にね^^
カウルトップを外しゴムカバーを取り外すと、アッパーマウントが顔をのぞかせます。これでボルトの位置確認はできました。
ショックを外す作業
アッパーのボルトを確認できましたので、続いてショック下部のボルトを確認しておきます。ショックに取り付けてある全てのボルトやホース類を取り外します。
ショックを取り外す時はゴムホースや、ドライブシャフトブーツを傷つけないように慎重に作業しましょう。車種により知恵の輪のように取り外ししなければならないものもありますね。
これが各ボルトを取り外した画像。下部のボルトをすべて取り外せばアッパーのボルトを取り外し、ショック全体を抜き取ります。その前にアッパーボルトの取り外し方法を!
アッパーマウント取り外し方法
スイフトスポーツではアッパーのボルトがダブルナットになっています。まずは上部のボルトを緩めていきますが、ただ回すだけではロッドが共廻りしますので、ショックに六角レンチとメガネレンチを駆使し緩めていきます。
これで、画像のようにアッパーマウントを取り外す事が出来ます。これでショックを取り外す事が出来ます。出来れば二人で作業したいところですが、一人でも出来ないわけではありません。
実際画像撮りながら一人で作業してます^^
アッパーマウントには向きがある!
ショックを取り外す事が出来ればサス交換となるわけですが、アッパーマウントには向きがあるものがあります。
出来ればショック取り外し後には合いマークを付けておきたいですね。
このようにアッパーマウントに刻印があるものもあります。方向性に注意しておきましょう。間違えればキャンバー等に影響を及ぼす可能性があります。
サス取り外しには、スプリングコンプレッサーが必要!
サス交換にはスプリングコンプレッサーが必要になります。ラチェットでキリキリ回していく安価なコンプレッサーもありますが、時間効率と作業性を考えるとインパクトレンチ対応のものの方が良いでしょう。
因みに画像のものはインパクトレンチ対応のものです^^
サス交換には危険はつきものです!
左右均等に少しずつサスを縮めていきましょう。片方を一気に締め付けるとサスがはじけ飛んでしまう可能性大です!!ここが、サス交換の一番大切な所です。もし、スプリングがはじけ飛ぶと、重傷を負うか、運が悪ければ・・・。
それに、運よく人に当たらなくても、周囲に危険が及んでしまいます。そういった意味でDIYではやらないで下さいって事ですね。
ま、作業内容を続けてみていきましょう。サスが少しぐらつくまで縮めていきます。画像くらいで良いでしょう。ここまでくるとショックのボルトを外してしまいます。
順番が分からなくならないように取り外し後は、画像のように部品を並べておくと良いでしょう。
また、一気に両側をやるのではなく片方ずつ作業する事で、万が一順番が分からなくなっても、もう片方を見れば分かる様にしておいた方が良いでしょう。
この時、できればバンプラバーなどが朽ちてれば交換するのが望ましいです。また、強化品がメーカーから出ているのであれば、そちらに交換した方が良いかも知れませんね。
いよいよローダウンスプリング組み付け
ローダウンスプリング(ダウンサス)と言っても、荷重がかかる前の全長はノーマルとそれ程変わりません。荷重がかかってやっとローダウンするのです。
ノーマルと比べ、縮む箇所をスプリングに施してあります。大体のダウンサスはスプリングの巻きが不等長になっています。その、スプリングの巻きが絶妙で、遊びもなくローダウン出来るってわけです。
良く出来てるね~。
と、話がそれかけたのですが、ノーマルと全長がほぼ変わらないという事は、ダウンサスもスプリングコンプレッサーで縮めてあげないと取り付けが出来ないという事です。
なので、取り外した時と同じようにスプリングコンプレッサーでダウンサスを縮めて行きます。取り敢えず、アッパーマウントまで収まる様に取り付けたら、センターロッドのボルトを仮止めします。
画像のようにショック下部には溝が切ってあるので、サスの下部と溝を合わせます。個人的にはショックを立てて作業するとやりやすいように感じます^^
取り外した時に付けておいた合いマークとショックが一致するように取り付け、スプリングコンプレッサーをゆるめていきます。緩めている最中に、スプリングがずれがちですので、一気に緩めるのではなく位置を確認しながら緩めていきましょう。
位置が完全に出たら本締めしていきますが、説明書にショックのセンターロッドボルトの締め付けトルクが記載されていますので、それに従って作業していきます。
この車両では、50N・mと記載されていました。
適切なトルクで締めこむ為にはトルクレンチは必需品です。オーバートルクで締め付ければロッドの破損に、トルク不足なら本来のサス能力を半減させてしまいかねません。必ず指定されたトルクで締め付けましょう。
この車両では50N・mでしたが、おおよその車両は40~70N・mみたいですね!
出来ればショック本体を万力で固定した方が良いのですが、なければ画像のようにセンターロッドを六角レンチで固定し、トルクレンチを回していきます。
画像のようなオフセット型のレンチを使えば作業しやすいですね^^デジタルラチェットなので、設定したトルクになればメーターを見なくてもおおよそのトルク管理は出来ます!
便利になったね~^^
これが組みあがったダウンサス&ショック一式です!合いマークを見比べ一直線になってる事を確認しておきましょう。
出来上がったショックを車両に取り付ける
作業する人や車両によりけりですが、今回はショック下部のボルトを仮止めして取り付けしていきました。と、なると、アッパーマウントの位置を出すのに苦労します。一人でやってると特にね!
で、ここで登場するのがジャッキアップ君です^^
そうする事で両手はフリーに!少しずつアップさせながら、センターを出していきます。
センターが出たら、最後のボルトを仮止めしておきます。このボルトは車両をおろしてから規定トルクで締め付けますので、この段階では手で締まるところまでで良いかと思います。
これが、仮止めしたダウンサスを組んだショックの画像です^^リアも独立懸架方式なら、この上記の方法で作業していきます。
内装やシートを剥がしたりしなければならない車両もありますので、注意しましょう。
リア(トレーリングアーム方式)の作業手順
今回作業したスイフトスポーツは、リアはトレーリングアーム方式です。この方式なら作業は比較的楽な部類に入ります。が、最近の車ではAFSなどのセンサーが取り付けられてるものもありますし、ブレーキホースやサイドブレーキ等のオイルラインが短いものも多数あります。
トレーリングアームをゆっくりおろしながら様子を見、各配線類にストレスがかかってないか確認しながら作業しましょう。これが確認できればトレーリング方式なら、上下矢印部分に溝がきってあります。
それに合わせてダウンサスを組み込んであげるだけです。
純正サス取り外し手順
純正サスを取り外す方法は簡単です。トレーリングアームにショックがボルトで留まっています。それを左右とも上記の画像のように取り外してあげれば、トレーリングアームが落ちてきます。
もし、落ちたテンションでショックが抜けなければ、ロアアームにジャッキをかけ少し浮かせれば抜けやすくなります。
ショックは無理に外さない!
万が一固くても無理にこじると、ショックの破損に繋がりますので、楽に取り外せるように、ジャッキで高さを調節してあげましょう。
両側のボルトが取り外せると、トレーリングアームは自然と落ちていきます。つまり、サスが簡単に取り外せるようになります。
溝とサスを合わせる
これが、トレーリングアーム下部の溝です。ここにダウンサスの切り口を合わせてからジャッキアップします。上部にも純正サスの跡がありますが、スプリングの巻き数が違うサスもありますので、位置を合わせてからジャッキアップしていきます。
上下の溝を合わせる
上下とも溝が合えばトレーリングアームをジャッキアップし、ショックのボルトを締め込み作業は完了です。(サスによってはアッパー部分がずれる場合がありますがそれはしょうがない。)
画像のようにショックのボルトを締めこんでいった時に、スプリングと溝が合っているか確認しておきましょう。失敗したらまた最初からやり直しです・・・。
取り付け後の車高ダウン量を見てみましょう
最初に言ったように一人での作業なので多少の誤差がある事をご了承下さいませ^^
フロントのダウン量
交換前の車高が36㎝だったのが、およそ33㎝になりました^^-3㎝となりました。説明書では-3.5㎝だったので、ほぼ数値通りとなっていますね^^
リアのダウン量
交換前のリアの車高は37㎝に対して33㎝になっています。説明書では-3㎝だったのですが、多少下がってますね^^ま、一人で作業&写真撮影だったので、多少の誤差はありますが、ほぼ基準近く下がってます^^
この後、トー調整を行って納車しました。
納車後、あまりのスタイリングの差でオーナーさんが喜んで下さったのが何とも嬉しかったな~^^
合わせてやりたい作業!
ダウンサス装着に合わせてやりたい作業が、ショックのゴム部品の交換です。ある程度距離が伸びている車両はショックのゴム部品が経年劣化でヘたっている可能性があります。
そういった場合はゴム部品やバンプラバーの長さを見直す事でスプリングの能力を100%引き出す事が出来るでしょう。ショックにはこれだけ沢山のゴム部品がありますって記事はこちらから!
あわせて実施すると効果的です^^
⇒ KYB(カヤバ) NEW SR SPECIAL装着とショックアブソーバーのゴム部品交換方法!
まとめ
お店によっても違いますが、ダウンサスの交換にはある程度の工賃が必要になります。サス本体の金額より高くなる場合もあります。
そういった事で、DIYで作業したくなるのも無理はありませんが、サス交換の工賃には、トルクレンチやスプリングコンプレッサーなどの専用工具、危険性などを含めたものとなっています。高くなるのは当然なのです。
何度も言うようですが、専門的知識なしではやらないようにして下さい。ダウンサス取り付けは命と隣り合わせの作業です。
しかし、高い工賃を払った後には得も言われぬ感動が待ち受けている事でしょう^^ダウンサスに交換後は、車の挙動が変わっている可能性があるので、慣れるまでは慎重に運転してください!