- 2015-2-27
- Update 2020-3-23
- Maintenance
ゼロクラウンをBLITZのフルタップ車庫調に交換してみた!
みなさんこんにちは!ミュンヘンのWeb担当mak utsunomiya(@munchen_stil)です!今回は、車のカスタマイズの定番である車高調キット取り付けにチャレンジしてみたいと思います。
車両はGRS182クラウン。それに超有名アフターパーツメーカーBLITZの全長超正式いわゆるフルタップ式の車高調を取付けていきます。
交換手順ははっきり言うとそれ程難しい事ではありませんが、車高調で一番難しいのは狙った乗り味と車高の両立を図ることにあります。
果たして、オーナーさんの希望通りにセッティングできるのか?そしてGRS182ゼロクラウンに取付ける際の注意点をピックアップしてお送りして行きたいと思います^^
今やフルタップは当たり前
私が車の免許を取得した時代は、全長超調整式いわゆるフルタップの車高調なんて高嶺の花でしたが、今ではずいぶん値段もこなれてきました。
ダウンサスと違い、車高が気に入らなければ狙った車高に調整できるのが魅力です。
しかし、セッティングは無限に存在し、自分の狙った乗り味にするには、乗ってはセッティング乗ってはセッティングの繰り返しが必要になります。
この辺は、オーナーさんの感性が大いに反映されるところでもありますので、まずはほぼ吊るし(デフォルトセッティング)の状態で組み付け、少しずつ個性を反映させていく事になります。
ブリッツのフルタップ車庫調を採用
今回ご依頼いただいたのは、とにかく狙った車高にしたいと言う事でした。特に車高調やメーカーにこだわりが無かったようでしたので、値段と調整範囲の中でいろいろと考えブリッツのフルタップ車高調にしてみました。
少し前までは、このメーカーはこういった特徴がある!といったモノでしたが、最近ではほとんど、どのメーカーのものを取付けても満足いく結果が出ると思います。
後は、メーカーに対する思い入れ的なところかな?とは思います。
それでは車高調の交換手順を!
車高調の交換手順はそれ程難しいものではありませんが、車種によってはロアアームを外したり、ブレーキホースを外したりする場合があります。
ブレーキオイルを抜かなければならない場合はDIYでは危険な作業になりますし、出来れば整備工場やカスタムショップに依頼するほうが確実な取付が出来ます。
フロントサス交換
サスペンションの交換は、ストラット部のボルトとブレーキローター後ろに留まっているボルトを外せば簡単に取外すことが出来ます。
最近の高級車は、ストラットがプラスチックのカバーで覆われていますので、エンジンルームのカバーを外し、ナットが見えるようにしておくことが必要です。
いきなり外さず、緩めておき少しグラグラ感が出るようにしておきます。
サス付け根のボルトとセンサーを外す
GRS182クラウンのサスペンション下部は、1本のボルトで止まっているだけですが、サスに車速センサーの配線が共締めされています。
サス脱着の際に傷をつけないよう事前にはずしておきます。
下部のボルトは固着している場合があるのでCRC(KURE5-56)を吹いておきます。更にローター裏部に車速センサーのコネクタがあります。
矢印部分に細いマイナスドライバーを差込み、ゆっくりと外していきます。再利用するので壊さないように丁寧に外していきましょう。
サス下部が留まっている部分は、袋状になっているので、バール等でアームを下げながら引き抜いていきます。(これが結構固い・・・。)
ロアアームを外せば感単に取外せそうですが、今回は外さずいきました。センサーを壊さないように上手くサスペンションの逃げ道を作ってあげましょう。
純正サスとブリッツ車高調の長さ違い
画像ではココまでサスの長さが違いますが、バネレートやバネの巻きの違いにより、この差がそのまま車高の違いになることはありません。
その辺りは注意が必要ですね。
データ取りは必須
人によりデータの取り方は様ざまですが、絶対的に計測する位置は決めておきましょう。今回はアッパーシート下部とロアシート上部で計測して紙に記録しておきます。
画像ではメジャーを使ってますが、ノギスが入るならそちらを使った方が正確かもしれませんね。
プリロード調整
アッパーシートを締め付けてくと車高が上がる仕組みになっていますが、勘違いしないで欲しいのがアッパーシートを締めつけるとバネレートが上がると思っている方が多いことです。
絶対的なバネレートはこれで上がったりしません。締め付ければ締め付けるほど反発力が上がるだけです。
スプリングの性質は、例えば1㎝縮めても10㎝縮めてもバネレートは変わりません。オールドミニに使われているゴム式のサスペンションの場合、ゴムの性質上、縮めばバネレートが上がります。
この辺は、はっきり言うとかなりの勉強が必要になりますが、今回は待ち乗りメインと言う事で、バネが遊ぶギリギリのところから一巻き二巻き程度締め付けておけば乗り心地を犠牲にすることはありません。
そして、車高はロアシートで調整していきます。
サーキットを走る方は、頻繁に調整し自身の好みの位置に調整する必要があります。
プリロードの詳細はこちらを ⇒ プリロードって何?
フロント部取り付け
取り外し時はサスが長い為取り外しに苦労しますが、車高調は全長が短いので割りと簡単に取り付けできます。
ココではまだ仮止め程度にしておきます。
1Gで締め付け
地面と設置した状態が0だとして、ボルト類を締め付けていきます。ロアアームをジャッキで上げ、リフトから少し浮いた状態でボルトを締めつけて行きます。
アーム類や車高調、ダウンサス。足回り全てのものは1Gで締め付けていくのが基本です。
ま、これは本来で言う1G締め付けではないのですが・・・。やっておいて損はありません。本来の1G締め付けとは四輪が地面に対し平行に(完全に平行)接している事ですけどね^^
トルクレンチで規定トルクで締め付ける
一般的には整備要領書は出回っていませんが、出来れば規定トルクで締め付けるようにした方が良いでしょう。
ボルトの破損や、サスの性能を100%引き出すためにはやっておきたいところですね。しかし、トルクレンチ結構高いです・・・。
リアサス交換
リアサスの交換もフロントと同様にストラット部をむき出しにしていきます。トランクルームからアクセスしますが、カバーを全部外していく必要があります。
クリップやボルトを外していきますが、それ程難しい場所にある訳ではないので、内装を無理やり剥がさないようにしましょう。
リアロアアームを外す
感単に外れそうですが、ロアアームが袋状になっていますので、バールなどで無理にこじらずロアアームを外していきます。
急がば回れです^^
今回はショックとサスが一体式となっていますが、別々の車種もあります。その場合はヘタっているゴム部品を交換してあげると、驚く程乗り心地が変わります。
長距離走っている車や低年式車はラバー部品が経年劣化等でヘタっている場合が多いのでこう言った作業のついでに交換しておいた方が良いかと思います。
→ KYB(カヤバ) NEW SR SPECIAL装着とショックアブソーバーのゴム部品交換で乗り心地改善!
ブレーキローター裏にボルトで留まっていますので簡単に取り外しできます。
しかし、前回ダウンサスを組んでいたらしく、思いもよらぬトルクで締め付けられていたので取外しに苦労しました。
締めすぎもボルトに負担がかかるのでやめて欲しいですね・・・。
リアには隠れナットがある
高級車らしく、リアのアンダーカバーは凝ったつくりになっています。矢印部分のナットを外したらその中に・・・
サスペンションをボディに留めてあるナットが姿を現します。ブリッツの車高調には取付け箇所はありませんが、何らかの原因で純正に戻す為にナットは保管しておきましょう。
これを外せば、サスが取れるようになります。いきなりガツンと落ちないように、ストラット部のボルトをいきなり外さず、2人で作業しながら呼吸を合わせはずしていきます。
一人でも出来ない作業ではないですが、なるべくボディやサスを傷つけないように2人で作業した方がいいと思います。
AFS警告灯をつけないために!
AFSとは、ステアリングの切れ角や、車に乗り込む乗員数で車高が変わる際に、ロービームの照射位置をオートで変更させるシステムです。GRS182ゼロクラウンでは、そのハイトセンサーが助手席側リアのロアアームに取付けられています。
このセンサーの角度を間違えると、AFSの警告灯が点灯しっぱなしになってしまいます。DIYで作業されて、AFSのランプがついている車を何台も見ています。間違った位置と正確な位置を画像で載せますので参考にしてみて下さい。
これが間違った位置
ロアアームを外した為に、くの字型にセンサーが取り付いています。これがセンサーの誤作動の原因になります。
正解はこちら
90度の角度で締め付けていきます。後で気がつくと再度ロアアームを外さないといけませんので、ロアアーム締め付け時にチェックしておきましょう。
もしこれでもAFS警告灯がつきっぱなしになっている場合は、コンピュータにセンサー異常の記録が残ってしまう事がある為、ディーラーやショップでリセットしてもらいましょう。
車高下げたら、ディーラーさんは受け入れてもらえないかも知れませんが・・・。そうならないよう、決められた最低地上高を遵守しましょう。
コンピュータ診断機は、普通の整備工場でも持っている場合が多いので、そういった所でリセットしてもらいましょう。
狙った車高にする為にレバー比を調べる
今回は、ほぼ吊るし(納入時)のままの状態で車高調を組み込んでいます。これで満足する方もいればもっと調整したいと思う方もいらっしゃるでしょう。
その時に車高調のロアシートを回転させ車高を上下させ調整していくのですが、ロアシートを1cm下げたら車高も1cm下がるわけではありません。
サスペンションはタイヤの真上についているわけではないからです。
イメージしやすいように説明すると、腕をまっすぐ横に伸ばしてみます。指先にタイヤがついていて、肘あたりにショックがついていると仮定してみます。
肩を中心にアームが動いているイメージです。肘を1cm下げたら指先はもっと下がると思います。
これがいわゆるレバー比というものです。
ネットで「クラウン レバー比」等、ご自身の乗っている車種+レバー比で検索するとある程度の車種は出てくると思います。車高の調整時にはこれを参考にしてみましょう。
まとめ
ただローダウンするだけなら、車高調で感単に出来てしまいます。ただし、サスペンションはタイヤを路面に効果的に押し付ける為の一つのパーツに他なりません。
未だに自動車メーカーは、理想の足回りを追い求め自動車の開発に励んでいます。
車高調に変えたから性能が上がったと言うのは大きな間違いだと思います。車高調を取付けた為には何かが犠牲になっています。
例えば乗り心地やロールが大きくなったと言ったところでしょうか?
感単に見た目を変える事が出来るのが魅力ですが、デメリットをしっかりと理解して取り付けるようにしましょうね。