ホイールナットの締付過ぎに注意!トルクレンチを使わず規定トルク付近でナットを締めつける技。

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ホイールナットの締め付け過ぎにご用心!

皆様こんにちは!ミュンヘンのWeb担当mak utsunomiyaです。今回の記事は、ホイールナットの締め付けトルクって言うかなり地味な内容になっています^^

ま、地味とは言っても車で唯一路面と接地しているのがタイヤです。そのタイヤを正規の状態に保つのがホイールの大切な役割です。

つまりは、タイヤがなければどれだけ優れたエンジンやブレーキがあっても、その性能を発揮する事はできません。よって、地味とは言っても最も重要なタイヤをはめ込んでいるホイールの正しい取り付け方法って無視できない要素なのです。

 

力まかせでホイールナット締め付けてませんか?

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この画像のように力任せにホイールナットを締め付けていませんか?タイヤやホイールは車の荷重を支える重要な役割を担っています。

そういった性格上、強く締め付ける程良いといった間違った認識を持っている方も多いようです。

実際にインパクトレンチの最大トルクでも外れにくいナットを何度も見ています。でもこれってボルトやホイールの座面及び、ハブボルトまで破損してしまう事態に繋がってしまうんですよね。締め付け過ぎによるハブボルトの破損は数々見てきています。

決して力任せに締め付けないで下さいね!

 

正しいナットの締め方

正しいホイールナットの締め付け方と言うのは実はかなり奥が深いのです。そして、整備工場によって違います。インパクトレンチだけで締め付ける所や、トルクレンチを使って規定のトルクで締め付ける所様々あります。

 

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これを言っては元も子もありませんが、インパクトである程度締めて・・・

 

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トルクレンチで規定値で締めこむ。

当店でもそうやってますし、それが間違いでもありません。ただ、インパクトレンチや手ルクレンチで思いっきり締めれば良いって物ではないことだけは覚えておいて下さい。

 

ホイールナット締め付け規定トルクとは?

車種やホイールによって多少の誤差はありますが、おおよその規定トルクは決まっています。それが以下の数値になります。

  • 軽 90N・m
  • 普通車 105N・m

参考までに、KTCさんのホイール専用トルクレンチの数値はこうなっています。

  • 85N・m
  • 103N・m
  • 108N・m

 

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因みに当店でも110N・m付近で固定してホイールナットを締め付けています。数値にしてもいまいち分かり難いですが、おおよその目安として参考にしてみて下さい^^ただ、問題なのはこれをDIYでどうやって把握するのかですよね^^

トルクレンチを持ってるならともかく、大多数の方はトルクレンチなんて持ってません。

じゃあどうやって規定トルクで締め付けるの?って疑問が浮かぶのは当然ですよね。それには以下の数式を理解する必要があります。

 

力のモーメントを知ってれば!

ナットを回すのに用いるのは“力のモーメント”。数式はありますが、私が数字に弱いので簡単に説明します^^回転させたいものから、1m伸びた棒の先に10kgの錘を乗せると、回転させたいものに10kgf・mのトルクがかかります。

今回の場合の回したいものはホイールナットになりますね^^

 

因みにニュートンメートルとは?

  • 1kgf・m × 9.806652 = 1N・m

kgf・mはトルクを表す単位で、上記の数式でN・m(ニュートンメートル)が求められます。現在はkgfではなくN・m(ニュートンメートル)で表記されるようになっていますね。

 

DIYで規定トルクで締め付けるにはどうする?

じゃあそれを知ったところで、ホイールナットを規定トルクで締め付けるって事が出来るのかって事になりますが、これがある道具を使えば出来るのです^^

それが、車載レンチなのです!

 

車載レンチはおおよそ25cmある!そこに意味がある!

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画像のように車載レンチはおよそ25cmあります。これが実はかなり良く考えられていて、自動車メーカーはスゲ~な~ってなります。

これがお店にざっくばらんにおいてある中にあった、何らかの車載工具^^中心から最後尾まで約25cmです。

ナットに車載レンチをかけ25cmのところに50kgの重さを乗せると、どうなるでしょう?

  • 0.25m×50kg=12.5kgf・m
  • 12.5kgf・m×1N・m(9.806652)=122.5N・m

つまり、ボルトの締め付けトルクは122.5N・mになります。実際には最後端部では握れないので、22~23cmの所に荷重がかかるのではないかと思います。

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  • 0.22m×50kg=11kgf・m
  • 11kgf・m×1N・m(9.806652)=107N・m

ん~すばらしい!ほぼ規定のトルクがかかるではないですか!車載工具は何も出来ないと思っている方も多いと思いますが、実際はすごく良く考えられているのですよね。

ご自身の体重を考えると、後は車載レンチのどこを握ると規定トルク付近で締め付けが出来るのか計算できますね^^

 

早速ホイールナットを取り付けて見ましょう!

上記の計算である程度の規定のトルクが出せるとわかれば、早速実践です。その前にホイールナットは締め付ける順番がありますので、以下の画像を参考にしてみて下さい。

 

ナット締め付けの順番

ホイールナットは一箇所をいきなり締め付けると、ホイールが斜めに取り付いたりするので、数回にわけ順番に、そして均等に締め付けていく事が重要です。

万が一斜めに取り付いていると、走行中のガタの原因になりますし、そのまま走行していたらホイールが脱落する事も考えられます。

簡単な作業のようですが、慎重に作業していきましょう

 

4穴ホイール

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画像の順番に対角線に沿って締め付けていきます。一気に一箇所を締め付けないように!

 

5穴ホイール

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星型に締め付けていくのが基本です。ここでも一気に一箇所を締め付けないように、何度かに分けて作業しましょう。

 

今回はクラウンで実践してみます!

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クラウンの車載レンチも計測してみると25cmでした。先の平らになった部分はジャッキを上げるときに差し込む部分なので、長さとして入れていません。

全ての車種が25cmかどうかはわかりませんが、おおよそ、その位の長さと考えて良いと思います。実際にご自身の車載レンチがどれ位の長さか計測しておくのも良いかもしれませんね^^

 

トヨタ純正のナットは特殊な形状です

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このあたりは、トヨタ車オーナーさんは気をつけておきたいところです。ナットの先が、少し突起していて、この部分がホイールの穴にかっちりはまる仕組みになっています。

 

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わかり易いように裏からはめてみた画像ですが、穴とナットの突起部分がきっちりはまるような仕組みになっているのがわかると思います。

ホイールを組み付ける際に少し面倒ですが、ズレ防止などに一役買っていますね。

 

ホイールを組み付ける時になるべくセンターを出しておく

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センターと言ってもAKBではありません・・・。このようにずれているとナットの突起部分が穴にはまらず、ホイールの座面に乗ってしまいます。

そのまま組み付けると座面の損傷が起きるばかりか、走行中のホイール脱落に繋がります。

 

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なるべくホイールの穴とハブボルトのセンターを出しておきましょう。ま、ナット締め付け時に微調整は出来るのでそこまで神経質になる必要はありませんが。

 

ナットは指が入る所までは手で閉めるが基本

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いきなり十字レンチやトルクレンチにナットを入れて強引にねじ込んでいる方もいます。ホイールの形状によっては指が入りにくいので気持ちはわからないでもないですが、いきなり工具を使うと、斜めにボルトが入ってても軽い力で回っていくので、ねじ山を壊している感覚に気がつき難いのです。

出来れば指が入る所までは手締めで行うのが理想ですね。もし、ホイール穴が狭すぎて指すら入らないなら、ソケットだけを使って正確に締めこんでいきましょう。

ソケットを使えば、奥まで完全にナットを入れる事が出来ますし、もし持っているなら使わない手はありません^^

 

手やソケットで完全に奥に届かす

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上記で記述したように、締め付けの順番はこの段階から実践して下さい。この段階ではそれ程トルクがかかるわけではないですが、くせにしておいた方が良いでしょうね。

 

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ソケットを使えば簡単に奥まで締め込む事が出来ますが、もし持っていなければ車載レンチで締め込んでいきましょう。グリグリ回していくとこれ以上入らないなと言う感覚がわかると思います。

 

ホイールとハブの隙間を確認

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テーパー状になっているごく普通のナットなら、普通に締め込んでいくだけで均等に締め付けれるようになっていますが、トヨタ車のように特殊な形状になっているナットは、センターがしっかり出ていないと正規の位置が出ない場合があります。

ハブとホイールの隙間を確認してみて下さい。しっかりはまっていないならこの間にかなりの隙間が出来ているはずです。

 

共回りするまでねじ込む

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Youtube全盛の時代にgif画像を使う私をお許し下さい(笑)FR車の場合はジャッキアップしてると、ブレーキが効いていない為、フロントナットが完全に奥まで当たると、画像のようにレンチと共にホイールが回ります。

FF車のフロントやリアは、サイドブレーキがかかっているので共回りしませんが、FR車のフロントはブレーキがフリーになっているのでこういった現象が起こります。

この状態でも、完全に位置が出ているならジャッキを下ろしタイヤを地面と設置させてトルクをかければ良いのですが、それでは心配があるなら、ジャッキアップしている状態で瞬間的にレンチを回しトルクをかけます。

 

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瞬発力が試されますが、やっておいた方が後々の安心感に繋がりますし、これをやったからと言って規定値以上にトルクがかかることはありません。

またレンチを廻す反対の手で軽くタイヤの回転を押さえてやるとやり易いでしょう。

ただし、インパクトレンチのスピード以上に瞬発力がある方はやめておきましょう^^まず、そんな人はいませんが^^

キュッっていう感じで回してあげれば良いでしょう。この後ジャッキを下ろしタイヤと路面を接地し、規定トルクをかけてあげます。

 

規定トルクを出すためにレンチを持つ位置を確認する

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上記の数式で、レンチを握る位置と体重(荷重)で、規定トルクを出す計算式を書いていますが、50kgの体重と仮定しての計算式です。

私は、およそ60kgあるので少し短めに握ってみました。なるべく正確に出したいなら、体重と車載レンチを握る位置を計算式に当てはめて出してみましょう。

 

筋力は関係ありません

ネット上では、体重と筋力両方を加味しないといけないといった意見も見受けられますが、筋力は関係ありません。要はレンチを持つ位置と荷重(体重)を加味すれば良いだけです。

仮に体重100kgならレンチの中心から11cmの位置に全体重をかければおおよその規定トルクが出ます。

  • 0.11m×100kg=11kgf・m
  • 11kgf・m×1N・m(9.806652)=107N・m

こうなります。これに筋力を加えればトルクをかけすぎになります。ご自身の体重を把握しておく必要がありますね^^

 

こうやると体重をかけれるよ!

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レンチをしっかりナットにかけ、体重を加味しナット中心からの位置を割り出し、腕をつっぱったまま体重をかけるだけ。グイグイ押さないでよろしい!

ギューって体重を乗せて、体が浮きそうな位の感覚です。これでほぼ規定トルクに達します。筋力を使ってグイッと締めてはいけません。

規定トルク以上にナットが締まってしまいますよ!

 

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因みに、実験後トルクレンチで計測するとボルト1/3程度でカチッとクビを振りました。ほぼ、規定トルクがかかっているということですね。これくらいなら全然許容範囲ですね^^

もし心配なら、数キロ走行後もう一度同じように荷重をかけてナットを締めてみてください。

 

注意点

ホイールナットの締め付けトルクは、おおむね書いておきましたが、これが社外ホイールや車種により若干違う事は言うまでもありません。

上記の、軽や普通車の基本的なトルク管理で問題は起きませんが、神経質な方ならトルクレンチは必須アイテムとなります。

また、規定トルクがわからなければメーカーに問い合わせる必要もあります。

 

まとめ

たかがホイール、されどホイール。車は路面と接地している部分はタイヤだけです。これが如何に重要な事か知っておく必要があります。

間違ったトルク管理で、ホイールが脱落したなんて笑い話ではすまなくなります。

トルク管理に自信がなければ、トルク管理をしっかり行っている整備工場やトルクレンチを購入する事をおすすめします。

何度も言うようですが、タイヤとホイールの管理は思っている以上に難しいことなのです。慎重に作業するようにして下さいね^^

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