- 2015-2-15
- Update 2018-5-7
- Maintenance
セルシオが前進しか出来なくなった!
みなさんこんにちは!ミュンヘンのWeb担当mak utsunomiya(@munchen_stil)です!人は過去に心に負った傷があっても、それを糧に前を向いて進むしかありません。
つまり前進あるのみなのです!
しかし、車はそうはいきません。バックが出来なくなったらどうにもこうにも車の役割を果たすことが出来なくなります。
コンビニに駐車したら出られなくなったり、助手席に手をかけて後ろを振り返りながらバックする男前を目指すなら絶対にマスターしたい技が使えなくなります。
本日はそんな深い傷を負ったセルシオのオートマを交換していく様を記事にしていきたいと思います。ちなみに、DIYでやるには危険な作業となりますので、絶対にやらないようにしましょう。
えらく地味な作業な上に備忘録的な記事なんで、ちょっとつまらないかも知れませんので事前に言っておきます^^
しかし、今回の作業で中古部品に対する偏見を取り除くには良い作業になったなと思います。
もし、中古部品で修理をお考えの方がいらっしゃいましたら最後まで読んでいただけると参考になるかも知れませんよ^^
アッセンブリーでの交換
オートマに限らず車の修理をする際の部品はいろいろな選択肢があります。新品、オーバーホール、リビルト品、中古品などなどありますが、これはどれが絶対にいいとはいえないのが現状です。
予算や、今後の車の維持を考えた上でお客様と相談し最適なものを選ばなくてはなりません。
今回はとりあえず相談の結果12万Km走行の車両の中古オートマAssyを取り寄せることにしました。しかし、中古と言っても専門の部品取扱店の正規のテストを踏んだものになりますので、現状では動作確認はしっかりなされているものです。
某オークションなどでは安く手に入る事もあるかも知れませんが、実際に取付けると完全に動作しないなんて代物も沢山見てきましたので、中古と言えども高額な商品はしっかりとしたテストをしているお店から取り寄せる事で後々の出費を抑えることも出来ます。その上取付けるまで本当に動くのか?なんて心配をする事もありません。
ネット上で完動品なんて言葉ほど怪しいものはないと私は思っております。もちろん全てそうとは言い切れませんけどね^^
中古と一くくりにされますが、信頼性の面では専門店が取り扱う商品と個人出品されているものとでは、信頼性が大きく違うという事を考慮しておかなくてはなりません。
取外し工程を見ていきます。
それにしても、バックが出来ないのでリフトに乗せるのも一苦労です。人力と牽引をフル活用してリフトに乗せます。この段階でハムストリングパンパンな上に手首の腱鞘炎を患いました^^
オートマ取り外し作業工程(抜粋で)
とその前に、今回の故障原因はオートマ故障の原因は、オイル漏れから起きる内部の焼き付きによるものです。画像では少しわかりにくいかも知れませんが、オイルパン及びアンダーカバーがピッカピカのテッカテカになってました。
こうやって、車の下部を見る機会は少ないかも知れませんが、駐車場所にオイル漏れの形跡があれば早急に修理するようにしましょう。
オートマオイル抜き
先ほどいったように、オイル漏れが今回の故障原因になっています。まず、オートマオイルを抜いていくのですが、出てくる量の少ない事・・・。日ごろからのメンテナンス重要ですね!特に油脂類や水といったものは定期的に見てあげたほうが良いかと思います。
アンダーカバー取り外し
オートマ取り外し作業を始める前に、ある程度の順序を考えておく必要があります。まずマフラー、そしてプロペラシャフトを取外し、初めてオートマユニットにアクセス出来ます。
いつも言ってますが、「急がば回れ!」後で手間をかけるくらいなら、最初に作業の邪魔になるものは外しておきましょう!と言う事です。
アンダーカバーはネジで留まっているだけなので感単に取外せます。これでマフラーがむき出しになりましたよ~。
マフラーを外す
セルシオは高級車が故に、ほぼ一体式のマフラーになってます。無理やり継ぎ目を外すことは可能ですが、サビや熱による固着で大変分割し難いです。今回は、二人がかりで一体で分割せずにマフラーを外していきます。
かなりの重量なので一人での作業は困難を極めます。必必ず二人以上で作業しましょう!
安全対策をとる事が最も重要です。まず、マフラーについているセンサー類を取外し、留めてあるゴム部品を引き離しますが、結構な力が必要です。
全てのゴムとセンサーを外したらマウントを取外しますが、いきなり落ちないように、一人が支え、もう一人がマウントを緩めていきます。かなり重いのでやる前に重量挙げのトレーニングをしておきましょう^^
これが取外したマフラーです。かなり大きいですね!う~んさすが高級車。
プロペラシャフトを外す
マフラーを外した後は、プロペラシャフトを外さなければなりません。まず先に、遮熱板を外していきます。ボルト止めなので簡単に外れますね^^
こういった作業だけでなく、足回りや駆動系など、純正品を元に戻す場合(社外パーツを付ける場合にもやっておく事もあります。)は、合マークをしておきます。
向きや形状はその場では覚えているつもりでも後で絶対に忘れてしまいます。合いマークはしっかりとしておきましょう!
100均の白い油性マジックで十分事足ります。
合マークを付け終わったら、オートマユニット側とデフ側のボルトを緩めていきます。
ただボルトを緩めただけでは外れてくれませんので、バール等でこじって芯が外れるまで引き出してあげます。
真ん中に、マウントがあるのでいきなり落ちたりはしませんが、安全を考え一人がシャフトを持っておき、もう一人がマウントを外すといった具合に作業を進めていきます。
ここまできたら、あとはオートマユニットを外すだけです。
エンジンとオートマを分離させる
オートマとエンジンを取外す最終局面に入っていきますが、こっからが本番です。かなりの重量物な上に、狭い場所にボルトが留まっていますので慎重に作業していきます。
まずは、オートマとエンジンを連結させているボルトを外していきます。専門用語で言うと、オートマ側がトルクコンバーター、エンジン側がドライブプレートと言います。
役割は違いますが、ミッション車で言うところのフライホイールみたいな形状をしています。エンジンからの駆動をオートマに伝える為の大切なプレートになります。
画像の位置のカバーを取外すと円盤が出てきますが、これにボルトが留まっています。
開けばこのようになっています。ちょっとピンボケしてるのは愛嬌と言う事でお許しを^^
プレートに数本ボルトが留まっているのですが、手で回せない場合は、クランクシャフトの先端に、ソケットを付けて回していきます。
この車両は一度オートマかエンジンを交換したらしく、ボルトが1本足りませんでした。後で、中古品についていたボルトを利用し全て留めておきました。
オートマについているハーネス類やオイルラインを外す
オートマにはオイルラインやハーネスなどが複数ついています。オートマをおろす際に引きちぎらないように全体を確認し、全て取外していきます。
運転席側にオイルラインとハーネスが通っています。オイルラインは曲がりやすいのでゆっくりとそして慎重に取り外ししていきましょう。
助手席側にもハーネスあります。手が入りにくいですが、何とかして外していきましょう。3箇所位あったかな!?
ここで少しオートマのマウントを緩めておきます。いきなり全部外すのではなく、真ん中くらいで留めておきましょうね。
矢印上部は、オイルゲージが入っているところです。先端はエンジン側にボルトで留まっているので、先にそちらを外しておきましょう。
オイルゲージの先端には、ボルトが2本入ってますが、すごく狭く手が入りにくいので少し苦労するかな・・・。
ボルトを外せば後は、引き抜けばゲージが取れます。
オートマのオイルラインやゲージ、コネクタがすべて外れたか確認してから、下の矢印部分。オートマ周りのボルトを外していきます。
見え難いですが、オートマユニットの上部に2本のボルトが隠れています。長いエクステンションを使い外していきます。
ハーネス、コネクタ、オイルゲージを外せば後はオートマのボルト外して行きます。すべてを取外すと落ちてしまいますので、ある程度のところでミッションジャッキに乗せ固定し、ボルトをすべて外します。
かなりの重量なので、ジャッキにはしっかり乗せるようにしましょう!
いよいよ乗せ換えです
取外したオートマには付いていて、中古には付いていないものがあります。一つずつ確認しながら移植していきます。
それがすべて完了したら、いよいよエンジンと合体です。
後は、取り外しと逆の手順で組みつけていきます。オートマオイルを規定量入れるのを忘れないように^^
試運転をし、バックも完璧に出来るようになりました^^画像では分かり難でですけどね^^
これで、オーナーさんにも喜んで頂けるでしょう^^
まとめ
今回はオートマ修理の記事でしたが、私が一番言いたかったのは中古を買うにしてもしっかりと機能を果たすモノを買って欲しいと言う事です。
整備工場では、しっかりテストし機能する中古パーツを自動車部品屋さんから買っています。某オークションで疑問符が付くものは買いません。
今は、オークションなどで、簡単に中古部品を買える時代ですがしっかりとした目利きが必要だと思います。
中古品は安く買えるのが魅力ですがそれに伴うリスクもあると言う事を理解しておきましょう。
安く済まそうと思って後々高く付いたなんてのは良く聞く話です。数万安く済まそうとするのではなく、長く乗れる修理をするようにしましょうね^^
それと、しつこいようですが絶対にDIYで作業しないようにして下さい!本当に危険な作業になります。